【会社設立】株式会社の定款の絶対的記載事項とは?
「会社の憲法」とも呼ばれる定款。
その中身は主に、
- 絶対的記載事項
- 相対的記載事項
- 任意的記載事項
の3つの記載事項により構成されています。
今回はその内の絶対的記載事項について解説していきます。
目次
絶対的記載事項とは?
絶対的という名前の通り、絶対に記載しなければいけない事項です。
この記載がないと定款としての効力が発生せず、無効となります。
6つの絶対的記載事項
絶対的記載事項は以下の6つがあります。
- 目的
- 商号
- 本店所在地
- 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
- 発起人の氏名又は名称及び住所
- 発行可能株式総数
それでは順番に見ていきましょう。
❶目的
目的とは事業目的です。
その会社がどのような事業をおこなうかを書いていきます。
何個まで、等の制限はありませんが、あまりに多すぎたりひとつひとつが全く関連性のないものですと、何の会社なのか?怪しい会社じゃないか?と思われてしまい、信頼性に欠けてしまいます。
いつかやるかも...と思って20個も30個も書くのはオススメできません。
どんなに多くても15個以内にはまとめましょう。
また、行政の許認可が必要となる業種によっては事業内容にその旨の記載が必要なものもあります。
文言も決まっているものもあったりするので注意が必要です。
❷商号
いわゆる「会社の名前」です。
ローマ字やアラビア数字、一定の記号(&やハイフン等)も使用可能です。
株式会社の場合、「〇〇株式会社」や「株式会社〇〇」など、「株式会社」を入れなければなりません。
ずっと使っていくであろう会社の大事な名前です。紛らわしいものや誤認を招くものは避けましょう。
「当会社は株式会社齋藤商事と称し、英字ではSaito Inc.と表記する」
登記簿上、全てを英語にはできませんが上記のような定めをすることは可能です。
❸本店所在地
会社の住所です。
登記では具体的な住所まで記載されますが、定款では市区町村まで定めておけば大丈夫です。
【例】
(本店所在地)
第○条 当会社の本店は、東京都杉並区に置く。
上記のようにしておけば、同じ杉並区内で移転した場合も定款の住所変更が不要となります。
わざわざ○丁目○番〇〇ビル101号などと定める必要はありません。
❹設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
会社設立の際に出資される資本金の額です。
発起人が1人で出資する場合はその額を書けば良いです。
出資が複数人いる場合等で、最終的な出資額がいくらになるか未確定な場合は、出資が確実な出資額(最低出資額)を記載しておきましょう。
また、金銭ではなく不動産や車などの現物出資がある場合はこちらも必ず記載しましょう。
❺発起人の氏名又は名称及び住所
その名の通り、発起人の名前と住所です。
発起人は自然人以外にも法人でもなることができます。
自然人であれば名前と住所は印鑑証明書
法人で名称(商号と)主たる事務所(本店)は登記事項証明書
上記に記載されたものと完全に一致するようにしてください。
印鑑証明書に「東京都杉並区○丁目○番○号」と書いていればその通りに、です。
「東京都杉並区○-○-○」のようにハイフンで略すのはNGです。
❻発行可能株式総数
その会社が最大で何株発行できるかを決めます。
公開会社であれば発行可能株式総数は、発行済株式総数の4倍を超えてはならないという「4倍ルール」がありますが、譲渡制限会社であれば4倍までというルールはありませんので、通常は最初に発行した株の10倍程度が常識的でしょう。
【例】
①500万円(設立時の出資額)÷5万円(設立時の1株の発行価額)=100株(設立時発行株式総数)
②100株(設立時発行株式総数)の10倍程度=発行可能株式総数は1000株
といった決め方になります。もちろん後から変更もできます。
まとめ
いかがだっだでしょうか。
絶対的記載事項という名称の通り、おおよそ基本的な事項ばかりですが、「目的」に関しては先ほど書いたように許認可申請が必要な業種であれば大事な事項となるので、ご自身がおこなう事業ではどんな事業目的を定める必要があるのか専門家に意見を仰ぐのも良いでしょう。
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