【会社設立】合同会社って何?メリットは?

まだまだ株式会社には及ばないものの、近年徐々に設立が増え認知度が高まっている合同会社。
株式会社と何が違うのか?どんなメリットがあるのか解説していきます。

合同会社とは?

合同会社とは、平成18年に施行された会社法(新会社法とも呼ばれます)にて新たに設けられた会社形態です。
アメリカのLLC(Limited Liability Company)をモデルとしており、日本版LCCとも呼ばれます。

新会社法により有限会社が株式会社と統合したため、現在設立できる会社形態は株式会社/合名会社/合資会社/合同会社と4種類となっています。
合同会社は上記の合名会社や合資会社と同じ持分会社となります。

合同会社のメリット

合同会社の特徴は、以下が挙げられます。

  1. 持分会社である
  2. 自由度が高い
  3. 設立費用が安い

それではこれらについて解説していきます。

❶持分会社である

平たく言ってしまえば、株式会社は出資「お金」、合同会社は「人」を重要視した形態と言えるでしょう。
株式会社は出資者(株主)と経営者(役員)が別であるのに対し、持分会社では出資者=経営者です。
次項の「自由度が高い」に通ずるところがありますが、出資者と経営者が一致しているので迅速かつ柔軟な経営が可能と言えます。

また、株式会社では出資額が多い人の権力が強くなりますが、合同会社は原則として1人1議決権が原則です。組合に近いイメージです。
株式会社では出資額によって利益の分配は出資比率によりますが、合同会社では利益の分配も均一にしたり自由に設定することが可能です。

組合的なところでは「有限責任事業組合=LLP」もありますが、違いは以下の通りになります。
法人格がある点が一番の違いでしょう。

  合同会社(LLC) 有限責任事業組合(LLP)
法人格 あり なし
責任 有限責任 有限責任
所得税 あり あり
法人税 なし なし
利益分配 定款にて自由 組合契約で自由
株式会社へ 変更可能 変更不可
根拠法 会社法 有限責任事業組合法

 

❷自由度が高い

❶でも書きましたが、合同会社では出資者=経営者です。
株式会社では基本的な考えとしては出資者と経営者が異なるので(同じにもできます)、経営に株主が口を挟んでなかなか上手く進まないなんてこともあります。
その点では経営に関する決議など合同会社の方が簡易迅速に進める事が可能でしょう。

また、定款自治により定款内容も自由度が高く、定款の変更手続きも株式会社ほど面倒でなくなります。
株式会社では役員の任期があり、役員が自分1人や家族のみの場合でもその都度役員の変更登記が必要となりますが合同会社では上限がないので数年ごとの役員の変更登記も不要です。
変更登記も費用がかかりますので、その点でランニングコスト面でも優れています。

❸設立費用が安い

やはりここが大きな違いであり、メリットといえるでしょう。
株式会社では設立の際に定款の認証も必要ですし登録免許税も合同会社より高いです。

設立費用の違いは以下となります。

  合同会社 株式会社
定款認証費用 0円 50,000円
印紙代 40,000円
(電子定款の場合は0円)
40,000円
(電子定款の場合は0円)
登録免許税 60,000円 150,000円
合計 60,000円 200,000円

 

上記のように電子定款利用での合同会社の設立費用は60,000円となり、株式会社との差は140,000円となります。
これはかなり大きな差ですよね。
もちろん上記以外にも細々した出費や行政書士や司法書士に依頼する場合には費用がかかりますがこの差はとても魅力的といえます。

まとめ

いかがだったでしょうか?
株式会社に比べ費用や手間があまりかからない合同会社。
社会的信用が株式会社の方が高いと言われますが、合同会社も年々増加傾向にあり認知度もあがっています。
途中で株式会社に変更することも可能なので、

  • 初めて会社設立される方
  • 1人会社の方
  • 家族経営の方

等、まずは合同会社で小さく始めてみるのもおすすめです。

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