【AFF2】新規任意団体が揃えるもの!

AFF2とは?

AFF2-Arts for the future!2-とは、長期にわたるコロナ禍による甚大な影響を受けた文化芸術活動の最高を図るため、プロの文化芸術団体が、感染を十分に実施した上で積極的に公演等を開催し、その活動の充実・発展を図る取組の支援を目的としたかコロナ禍からの文化芸術活動の再興支援事業です。

任意団体とは?

任意団体とは、「権利能力なき社団」や「法人格のない社団」と呼ばれる団体です。
法人と違う点は「法人格」がありません。
非営利団体などでもNPO法人等は「法人格」があり、任意団体にはありません。
町内会やサークル、PTAなどを思い浮かべていただけるとわかりやすいかと思います。
権利がないとういう事は当然所有権もないため任意団体としての名義で車などの所有や物件の契約はできません。

新規任意団体で必要なもの

今回AFF2では新規の任意団体の申請条件として以下を挙げています。

  • 中核者となる者の過去の主催実績
  • 定款等に類する規約
  • 団体名での口座
  • 収益事業開始届書
  • 給与支払い事務所等の開設届出書

順番に解説していきます。

❶中核者となる者の過去の主催実績

まずは過去の実績ですが、新規立ち上げ団体ですので当然過去の実績がありません。
ですので中核者の過去の主催実績を提出しなければなりません。
気をつけなければいけないのはあくまで「主催」実績ですので、アーティストとして「〇〇〇に出演しました!」というような出演実績ではない点です。
AFF2は「資金面での責任を負担する事業者の補助が目的」です。
提出するモノはチラシやパンフレット、チケット等、主催であることが確認できるものとなっています。

❷定款等に類する規約

会社を設立したことがないという方には定款という言葉自体が耳馴染みがないかもしれません。
定款とは「会社の憲法」とも呼ばれるもので、その会社の所在地や事業目的、代表を誰々とする、決議の方法、などが記載されているものです。
今回、任意団体に求められているものは「定款に類する規約」となっています。
AFF2のFAQには、以下について明記されていることが必要と書かれています。

  • 団体の意思を決定し、執行する組織が確立されていること
  • 自ら経理し、監査する等の会計組織を有すること
  • 団体活動の本拠としての事務所を有すること

もちろん上記だけ書いてあれば規約として良いのか、と言う訳でもありませんのでもしご自身でわからなければ当事務所で規約の作成も承ります。

❸団体名の口座

新規団体で一番つまずくのはここではないでしょうか。
銀行にいきなり団体名の口座作成をしたいといっても当然つくれません。
まずは税務署にて開業届を出して屋号を決め、その後に屋号入り口座をつくる、という流れが一番スムーズでしょう。
しかしこのご時世でどこも厳しいので(メガバンクはまず厳しいでしょう)、いろいろと当たってみましょう。

❹収益事業開始届書

こちらも納税地の所轄税務署にて提出します。
公益法人又は人格のない社団等が新たに収益事業を開始した場合、その開始した日以後2月以内に提出しなければならないこととなっています。
こちらを提出の際にも以下のものを添付する必要があります。

  • 収益事業開始の日における収益事業についての貸借対照表
  • 定款、寄付行為、規則、規約その他これらに準ずるものの写し

こちらを提出すると収益事業を行う団体となり、「みなし法人」と扱われ、法人税の課税対象となります。
当然ご自身の確定申告とは別に任意団体としても確定申告をしなければなりません。

❺給与支払事務所等の開設届出書

こちらも税務署にて提出します。
こちらを提出すると法人番号が通知されます。
しかし通知まで時間がかかるので、AFF2の申請段階では法人番号が通知されていなくても大丈夫です。
こちらを提出すると源泉徴収義務が発生します。

その他に用意するもの

上記の他にも用意するものがあります。
今まで活動してきた団体ですと過去5年のうち、最も事業収入の大きい年度の決算書・財務諸表が必要です。
しかし新規代替には当然ない為、年間収支計画書を提出する必要があります。
こちらはAFF2の取組計画の申請書の収支計画書とは別のものとなります。
フォーマットは任意ですのでご自身の事業の見通しがしっかりわかるようにつくりましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?
なかなかハードルが高いように見えますし、法人税の発生源泉徴収義務の発生など、メリットばかりではない任意団体の申請ですが、ご自身の事業での今後の法人化をお考えの方はこれを機に新規任意団体の設立を検討してみるのも良いかと思います。

定款に類する規約の作成など、なかなか馴染みのないものに関しましても当事務所では作成を承ります。
まずはお気軽にご相談ください。